派遣の皆様へ

【派遣】派遣社員は損害賠償を請求されたくなければ、金銭等の取り扱いは断った方がいい。

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お疲れ様です。

大手人材サービス会社で法務をやっている新一です。

 

本日は、派遣社員の方が、仕事で金銭等を取り扱う場合の危険性について書いていきたいと思います。

※この記事は事務の派遣を対象としております。販売関係でどうしてもお金を取り扱う場合はやむを得ないです。

 

目次です。

 

1.金銭等の取り扱いとは?

金銭等とは、現金のほかに、金、銀はもちろん切手、はがき、乗車券、印紙などの換金できるもののことをいいます。

そして、これらを保管・管理する業務が金銭等の取り扱いをする業務ということになります。

これらの業務はもし、金銭等が紛失した場合に、派遣労働者、派遣元会社、派遣先会社の全員がトラブルに巻き込まれるため、リスクがとても高い業務といえます。

リスクの大小は取り扱う金額によるのですが、法務としては当然お勧めしないです。

・派遣料金が大体35万円程度(一日8時間稼働×稼働日20日として)
・派遣労働者の賃金が大体26万円程度ですので、
・派遣会社の粗利は大体9万円となります。

金銭が紛失した場合、9万円以上の紛失となる可能性も十分ありますし、取引先との信頼関係への影響、派遣労働者の精神的ショック、業務量の増加等様々なリスクがありますので、月9万円の粗利を得るために取るリスクとしてはとても大きいです。

 

2.派遣労働者は金銭等の取り扱いをしないよう方がよいです。

当然ながら、派遣労働者は金銭等を取り扱う業務をしない方がよいです。

金銭等を取り扱っていることのストレスが大きいですし、もし金銭等がなくなってしまった場合、疑いの目を向けられることになります。また、その後働きにくくなってしまうおそれもあります。

したがって、派遣労働をする方は、銀行業務等を行う場合以外は、金銭を取り扱う業務は断った方がよいです。

 

なお、もし金銭等の取り扱いをする必要がある場合、小さい派遣会社を使うと、その派遣会社だけで十分に支払いができない可能性があります。そうすると、法令・裁判例以上の支払いの負担を求められるおそれがあります。

つまり、法令・裁判例等に従った場合、わざと金銭等を紛失した場合でなければ、派遣労働者の負担が全額となるケースは少ないですが、小さい派遣会社を利用した場合、発生した損害のうちの全額の負担を要求されるおそれがあります。大手の派遣会社ではありえません。

このような無茶な要求をされることを防ぐためにも、登録する派遣会社は大手がおすすめです。大手は、行政機関(労働局、労働基準監督署)からのチェックが厳しいですし、世間からも厳しく見られています。また、裁判例や行政の通達をしっかり調べたうえで、派遣社員に負担をお願いしているため無茶な要求をすることはありません。

・裁判例です。

労働者の損害賠償責任とその制限

したがて、登録するなら大手の派遣会社をお勧めします。

個人的には、大手の中では、リクルートスタッフィング、パーソルテンプスタッフがお勧めです。

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3.派遣労働者に金銭等の取り扱いをさせた場合の、派遣元のリスクは?

もし、派遣社員が取り扱っていた金銭等を紛失してしまった場合、派遣元は、使用者責任(民法715条、709条)、債務不履行責任(民法415条)を追及されます。

派遣労働者に金銭等を取り扱わせて、その金銭等が派遣労働者のミス(法律上は「過失」や、「責めに帰すべき事由」等といいますが、この記事では深入りしません)によって紛失した場合は、雇用主としての責任を負い(民法715条、709条)、派遣先に発生した損害を支払うことになります。

また、契約上の義務として予定された業務にふさわしい労働者を派遣する義務があったにもかかわらず、不適切な派遣労働者を派遣してしまったと認定された場合には、契約上の義務をしっかり果たせなかったということで契約違反の責任を問われるおそれがあります(民法415条)。
ただし、これはほとんどないケースです。

 

4.派遣労働者に金銭等の取り扱いをさせた場合の、派遣先のリスク。

(1)金銭等が紛失した場合に、しっかり賠償をしてもらえないことがある。

一番のリスクは、金銭等が紛失してしまい、その原因がわからない場合には、当然ながら賠償はされないことです。なぜかというと、金銭等を取り扱っていた者は、しっかり管理していたのだが泥棒に入らてしまったのかもしませんし、派遣労働者ではなく社員が取ったのかもしれません。派遣社員のミスと無関係に金銭等が紛失した場合には、当然派遣会社・派遣社員から賠償を受けることはできません。

リスクのある業務は、自社の社員に任せるのがベストです。

(2)過失相殺

派遣先の管理体制がしっかりしていなかった場合には、派遣先にも落ち度があったという理由で、損害のうちいくらかを派遣先が負担するという判断をされる可能性もあります。

大体派遣社員による金銭等の喪失の場合の過失相殺は、派遣会社:派遣先は5:5程度が一般的です。

 

5.まとめ

 

金銭等の取り扱いは、派遣先・派遣会社両方にとってリスクがありますし、派遣労働者の精神的負担になる可能性が高いです。

したがって、派遣先・派遣会社・派遣労働者の負担・関係性の維持のためにも、派遣労働者に金銭等を取り扱わせることは避けましょう。

派遣労働をされる方は、業務開始の前に、就業条件通知書の業務内容をを確認して、金銭等や高価なものの取り扱いがないかを確認し、もし取り扱いを頼まれた場合はしっかり断りましょう。

なお、実務では、派遣労働者に金銭を取り扱わせてはならない旨の規定を派遣契約に入れておくのが一般的です。

なお、小さい派遣会社の場合、もし派遣社員のミスによって金銭等が紛失したとしても、スムーズに損害を賠償できないことがあります。

 

今日はここまでです。

お読み頂きましてありがとうございました。

 

 

S新一

 

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